トレモロ修正の顛末

 1ヶ月ほど前のことですが、練習会でA氏からトレモロについて指摘を受けました。 帰宅して自分の演奏を録音して聴いてみると、とんでもないことになっていました。 トレモロが粗いというよりも、不自然でたどたどしく聴こえます。 いつからこんなことになっていたのか・・・背中を冷たい汗が流れました。
原因を究明するためパソコンで録音波形を調べたところ、下図のようにアップストロークが埋もれ、ダウンストロークだけが強調されていました (特にE線がひどい状態でした)。
※図の縦棒間の時間間隔は0.2秒 (ダウンとアップの合計ストローク時間)。 矢印のところにアップストロークが少し見えている。
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トレモロのピック先端の運動はダウンストロークが <上弦→下弦>、アップストロークが <下弦→上弦> になるので、何らかの原因でアップストロークのときに下弦に十分なインパクト (打弦のエネルギー) が与えられていないと思われます。 以前からアップのストロークの音量がダウンに比べて小さいことは分かっていましたが (「トレモロ考」 (2016/03/30) )、今回はこれが極端に現れてしまったようです。

トレモロは手首から下を振る奏法と、肘から下を振る奏法がありますが、私は後者の奏法に近いので弦に対してピックが直線的に移動します。 E線の下弦へのアプローチ (助走) の距離が十分にとれず、打弦が弱くなっている可能性が考えられました。 そこで、いつも高さを一番低くしている足台を一段高くして (約3cmアップ) 楽器位置を高くし、E線の下弦に対しても余裕のあるアプローチ距離を確保するようにしました。 この結果、かなり改善が見られましたが、まだ理想的とは言えません。

実はこのところ、先端がかなり磨滅して丸くなったべっ甲のピックを使っていました (弦に当たる抵抗が少なく弾きやすかったので)。 先端が丸いため、下弦に対してピックの深さ (ピック先端から弦の接触位置までの距離) が取れていないのではないかと疑いました (深さが極端に浅い場合は弦を “かする” だけになってしまい、十分な振動を与えられません)。 そこで比較的新しく先端が尖っているピックに替えたところ、波形が大幅に改善されました。 下図に示すように、埋もれていたアップ(U)ストロークがくっきり現れ、ダウン(D)とほぼ同等になっています (時間のスケールは最初の図と同じ)。 録音を聴くと、トレモロ特有の “ころころ” した響きが戻っており、よい感じです \(^o^)/
(※後日、A氏からも問題なしとのコメントをいただきました。)
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今回のことで、自分で弾きながら聴くのはまったくあてにならず、録音して聴いたり、他人(家族) に聴いてもらうなどして自分の演奏を客観的にチェックする必要があることを痛感しました。 他人の演奏にはなかなか口出ししにくいものですが、率直に指摘してくれたA氏に感謝します。

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